ラップ、ゴミ袋、洗剤ボトル、シャンプーの詰め替えパック、マスク、紙おむつなどには、プラスチックや合成樹脂、不織布、包装材が使われているためです。
ナフサは、石油化学製品の原料として使われる石油製品のひとつです。
そこから作られる樹脂や化学素材は、容器、フィルム、袋、繊維、衛生用品などに加工され、家庭で使うさまざまな商品につながっています。
ただし、ナフサ不足になったからといって、すぐに日用品が店頭から消えるとは限りません。
まず起きやすいのは、値上げ、容量減、詰め替え商品の価格上昇、包装材コストの増加といった形です。
特に、ラップやゴミ袋のように石油由来素材を使う商品、洗剤やシャンプーのようにプラスチック容器・詰め替えパックを使う商品は、原材料費や包装資材費の影響を受けやすいです。
毎月のように買う消耗品が多いため、少しずつ家計負担に響く点にも注意が必要です。
この記事では、ナフサ不足で値上がりしやすい日用品の一覧、ラップ・ゴミ袋・洗剤・マスクなどに影響が出る理由、日用品メーカーの価格改定事例、家庭でできる備えをわかりやすく解説します。
この記事でわかること
- ナフサ不足で値上がりしやすい日用品
- ラップ・ゴミ袋・洗剤が影響を受ける理由
- 日用品メーカーの価格改定事例
- 買いだめではなく適正ストックが重要な理由
- 今後の日用品価格を見るときの注意点
参考:石油化学工業協会・石油化学製品はこうしてつくる・石油化学工業協会・ナフサ分解工場
ナフサ不足の全体像は、ナフサ不足とは何かをまとめた総合記事で詳しく解説しています。
食品包装や容器への影響を知りたい場合は、ナフサ不足で食料品に広がる影響をまとめた記事も参考になります。
ナフサ不足で値上がりしやすい日用品一覧

ナフサ不足で影響を受けやすい日用品は、プラスチック容器・フィルム・袋・不織布・包装材を使う商品です。
日用品そのものの中身だけでなく、容器や詰め替えパック、外装フィルム、配送時の包装資材にも石油由来素材が使われています。
そのため、ナフサ不足や石油化学原料の価格上昇が続くと、日用品では値上げだけでなく、容量減、枚数減、詰め替え商品の価格上昇、包装仕様の変更といった形で影響が出る可能性があります。
特に毎月買う消耗品は、1回あたりの値上げが小さくても家計への影響が積み上がりやすいため、どの商品が影響を受けやすいのかを把握しておくことが大切です。
| 日用品 | ナフサとの関係 | 起きやすい影響 |
|---|---|---|
| ラップ・保存袋 | フィルムや袋に石油由来樹脂を使用 | 値上げ・巻き長さ変更・容量減 |
| ゴミ袋・レジ袋 | ポリエチレンなどの樹脂を使用 | 価格上昇・枚数減・薄型化 |
| 洗剤・シャンプー | ボトルや詰め替えパックに樹脂を使用 | 本体・詰め替え商品の値上げ |
| マスク・紙おむつ | 不織布やフィルムに石油由来素材を使用 | 価格上昇・枚数減・実質値上げ |
| 食品トレー・容器 | プラスチック容器や包装材に樹脂を使用 | 食品価格・総菜価格に間接的に波及 |
参考:石油化学工業協会・石油化学製品はこうしてつくる・プラスチック循環利用協会・ポリエチレンってどんなプラスチック?
ラップ・保存袋
ラップや保存袋は、ナフサ不足の影響を受けやすい日用品です。
食品を包むラップ、冷凍保存用の袋、チャック付き保存袋、ポリ袋などには、石油由来のプラスチック素材が使われています。
ポリエチレンなどの合成樹脂は、フィルムや袋、食品容器などに広く使われる素材です。
ナフサはこうした樹脂を作る石油化学製品の上流にある原料のため、ナフサ価格や樹脂価格が上がると、ラップや保存袋の製造コストにも影響します。
ラップや保存袋は、家庭だけでなく、スーパー、飲食店、食品工場でも大量に使われます。
家庭用商品の価格がすぐ大きく変わらなくても、業務用資材の価格上昇が食品価格や外食価格に間接的に波及する可能性が高いです。
ラップや保存袋は石油由来フィルムを使うため、ナフサ不足による樹脂価格上昇の影響を受けやすい商品です。
食品包装への影響を詳しく知りたい場合は、ナフサ不足で食料品に広がる影響をまとめた記事も参考になります。
ゴミ袋・レジ袋
ゴミ袋やレジ袋も、ナフサ不足で値上がりしやすい日用品です。多くのポリ袋には、ポリエチレンなどのプラスチック樹脂が使われています。
ゴミ袋は、家庭で毎週使う消耗品です。
自治体指定袋、半透明袋、業務用ポリ袋、キッチン用ポリ袋など、種類も多く、日常生活での使用頻度が高い商品といえます。
ナフサ不足や樹脂価格の上昇が続くと、ゴミ袋では価格上昇だけでなく、枚数の変更、厚みの見直し、容量表示の変更などが起きる可能性が高いです。
消費者から見ると店頭価格が同じでも、1枚あたりの負担が増える「実質値上げ」として感じる場合もあります。
レジ袋や持ち帰り用袋も、店舗運営に関わる資材です。
スーパー、ドラッグストア、コンビニ、飲食店などで使われるため、袋の仕入れコストが上がると、店舗側の運営費にも影響します。
ゴミ袋やレジ袋は、価格上昇だけでなく、枚数減や厚み変更という形で影響が出やすい日用品です。
ドラッグストアで扱う日用品への影響は、ナフサ不足がドラッグストア商品に与える影響をまとめた記事でも解説しています。
洗剤・シャンプー・詰め替えパック
洗剤やシャンプーは、中身だけでなく、容器や詰め替えパックの影響を受ける日用品です。
洗濯洗剤、食器用洗剤、柔軟剤、シャンプー、ボディソープ、ハンドソープなどは、プラスチックボトルや詰め替え用フィルムパックで販売されることが多くあります。
ポリエチレンは、シャンプー・リンス容器やフィルム、袋などに使われる代表的なプラスチック素材です。
ナフサ不足によって樹脂や包装資材のコストが上がると、ボトル本体や詰め替えパックの価格にも影響しやすくなります。
また、洗剤やシャンプーは、原材料、香料、界面活性剤、包装材、物流費など、複数のコストが重なって価格が決まります。
そのため、ナフサ不足だけで価格が決まるわけではありませんが、容器・包装材の上昇は無視できない要素です。
詰め替え商品は節約につながりやすい一方で、詰め替えパック自体にもフィルム素材が使われています。
原材料費や包装資材費が上がると、本体商品だけでなく詰め替え用も値上がりする可能性があります。
洗剤やシャンプーは、中身だけでなく、ボトル・詰め替えパック・外装フィルムのコスト上昇を受けやすい商品です。
マスク・紙おむつ・衛生用品
マスク、紙おむつ、生理用品、介護用品などの衛生用品もナフサ不足の影響を受けやすい分野です。
これらの商品には、不織布、フィルム、吸収材、包装材など、さまざまな素材が使われています。
日本衛生材料工業連合会は、紙おむつの表面材に使われる不織布には、レーヨン、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレンなどの繊維が使われると説明しています。
つまり、衛生用品は紙だけで作られているわけではなく、石油由来素材とも関係が深い商品です。
マスクも、不織布や耳ひも、ノーズワイヤー、個包装など複数の素材で構成されています。
ナフサ由来の樹脂や化学素材の価格が上がると、製造コストや包装コストに影響する可能性があります。
紙おむつや生理用品は、家庭で継続的に購入する必要がある商品です。
値上げや枚数減が起きると、子育て世帯、介護世帯、日常的に衛生用品を使う家庭の負担が増えやすくなります。
衛生用品は生活必需品であり、価格上昇が家計に直結しやすい分野です。
必要な量を見極めながら、買い占めではなく適正ストックを意識することが重要になります。
参考:日本衛生材料工業連合会・紙おむつ・軽失禁用品の素材・日本衛生材料工業連合会・紙おむつの歴史
医療・衛生用品への影響は、ナフサ不足で医療用品に広がる影響をまとめた記事でも詳しく解説しています。
食品トレー・プラスチック容器
食品トレーやプラスチック容器も、ナフサ不足と関係が深い日用品です。
スーパーの総菜容器、弁当容器、冷凍食品のトレー、豆腐や卵の容器、持ち帰り用パックなど、食品売り場では多くのプラスチック容器が使われています。
食品トレーや容器は、家庭で直接購入する日用品というより、食品価格の中に含まれる包装コストとして影響します。
容器やトレーの価格が上がると、食品メーカー、スーパー、飲食店、弁当店などの仕入れ負担が増えます。
企業が包装コストの上昇を吸収しきれない場合、総菜、弁当、冷凍食品、テイクアウト商品などの価格に反映される可能性が高いです。
消費者から見ると、ナフサ不足の影響は「容器代」として見えにくいものの、店頭価格の中に含まれていることがあります。
食品トレーやプラスチック容器の価格上昇は、食品価格やテイクアウト商品の値上げにつながる可能性があります。
スーパーでの影響は、ナフサ不足がスーパーの商品価格に与える影響をまとめた記事で解説しています。
コンビニ商品への波及は、ナフサ不足がコンビニ商品に与える影響をまとめた記事も参考にしてください。
なぜナフサ不足で日用品が値上がりするのか

ナフサ不足で日用品が値上がりしやすい理由は、日用品の多くが石油化学由来の素材を使っているためです。
ラップ、ポリ袋、洗剤ボトル、詰め替えパック、食品トレー、マスク、紙おむつなどは、プラスチックや合成樹脂、不織布、包装材と深く関係しています。
ナフサは、原油を精製して得られる石油製品のひとつです。
ナフサを分解するとエチレンやプロピレンなどの基礎化学品が作られ、そこからポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレンなどの樹脂が生まれます。
つまり、ナフサ不足は「原料が足りない」という単純な話だけではありません。
容器、袋、フィルム、トレー、不織布、外装パッケージなど、日用品の周辺コストにも広がる問題です。
| 値上がりの要因 | 日用品への影響 |
|---|---|
| ナフサ価格の上昇 | 樹脂・フィルム・容器の原料コストが上がる |
| 包装資材費の上昇 | 詰め替えパック・外装フィルム・袋の価格に影響する |
| 不織布・衛生材料のコスト増 | マスク・紙おむつ・生理用品などに波及しやすい |
| 原油高・円安 | 輸入原料やエネルギーコストを押し上げる |
| 石油化学産業の再編 | 国内供給体制や樹脂価格に影響する可能性がある |
参考:石油化学工業協会・ナフサ分解工場・プラスチック循環利用協会・ナフサってなに?
ナフサはプラスチックや合成樹脂の原料
ナフサは、プラスチックや合成樹脂を作るための重要な原料です。
石油化学工業協会は、ナフサが分解されることでエチレン、プロピレン、ブタジエン、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの基礎化学品が作られると説明しています。
このうち、エチレンやプロピレンなどは、ポリエチレンやポリプロピレンといった樹脂の原料になります。
これらの樹脂は、ラップ、ポリ袋、食品容器、シャンプー容器、キャップ、トレー、不織布など、日用品のさまざまな部分に使われています。
たとえば、低密度ポリエチレンはラップやポリ袋、高密度ポリエチレンは食品容器やシャンプー・リンス容器などに使われる素材です。
日用品売り場で見かける商品は、見た目以上に石油化学素材と関係しています。
そのため、ナフサ価格や樹脂価格が上がると、日用品メーカーや包装資材メーカーのコストが増えます。
企業がそのコストを吸収しきれない場合、店頭価格の値上げ、内容量の見直し、枚数減、詰め替え価格の上昇などにつながる可能性が高いです。
ナフサ不足は、日用品の「中身」だけでなく、容器や包装材のコストにも影響する問題です。
参考:石油化学工業協会・石油化学製品はこう使われる・プラスチック循環利用協会・ポリエチレンってどんなプラスチック?
ナフサ不足の全体像は、ナフサ不足とは何かをまとめた総合記事でも詳しく解説しています。
容器・包装材・不織布に使われている
日用品がナフサ不足の影響を受けやすいのは、商品そのものだけでなく、容器・包装材・不織布にも石油由来素材が使われているためです。
洗剤やシャンプーでは、ボトル本体、ポンプ部分、キャップ、詰め替えパック、外装フィルムなどに樹脂が使われています。
ゴミ袋や保存袋では、ポリエチレンなどのフィルム素材が中心です。
さらに、マスクや紙おむつのような衛生用品では、不織布やフィルムが重要な素材になります。
日本衛生材料工業連合会は、紙おむつの表面材にポリプロピレン不織布、ポリエチレン/ポリエステル不織布などが使われると示しています。
このように、日用品では本体・容器・包装・衛生材料が一体になって商品化されているのです。
ナフサ由来の樹脂や不織布の価格が上がると、商品ごとの製造原価だけでなくパッケージ全体のコストにも影響します。
日用品価格を見るときは商品の中身だけでなく、ボトル・袋・詰め替えパック・外装フィルムのコストも確認することが重要です。
| 使われる場所 | 主な商品例 | 影響の出方 |
|---|---|---|
| 容器 | 洗剤ボトル・シャンプー容器・食品容器 | 本体価格や容器仕様に影響 |
| 包装材 | 詰め替えパック・外装フィルム・ポリ袋 | 詰め替え価格や枚数に影響 |
| 不織布 | マスク・紙おむつ・生理用品 | 衛生用品の価格や枚数に影響 |
| 食品容器 | 食品トレー・総菜容器・弁当容器 | 食品価格に間接的に波及 |
参考:日本衛生材料工業連合会・紙おむつの表示ガイドライン・プラスチック循環利用協会・国内生産の汎用樹脂のLCIデータ更新
衛生用品や医療関連品への影響は、ナフサ不足で医療用品に広がる影響をまとめた記事でも整理しています。
スーパーで使われる食品容器や包装材の影響は、ナフサ不足がスーパーの商品価格に与える影響をまとめた記事も参考になります。
原油高・円安・石油化学産業の再編も影響する
日用品の値上がりは、ナフサ不足だけで決まるわけではありません。
原油高、円安、エネルギーコスト、物流費、石油化学産業の設備再編など、複数の要因が重なって起こります。
ナフサは原油から作られるため、原油価格が上がるとナフサ価格にも上昇圧力がかかります。
さらに、日本は原油や化学原料の多くを海外に依存しているため、円安が進むと輸入コストも上がりやすくなる構造です。
また、石油化学産業では、ナフサ分解によってエチレンなどの基礎化学品を製造し、川下産業へ供給しています。
経済産業省の資料でも、日本の化学産業はナフサ分解によりエチレン等の基礎化学品を製造・供給し、自動車や電気電子産業などの川下産業を支えていると説明されています。
今後、石油化学設備の再編や生産体制の見直しが進むと、国内で調達できる樹脂や基礎化学品の供給にも影響する可能性が高いです。
日用品メーカーは原材料費だけでなく、包装資材費、物流費、エネルギー費、為替の影響も受けるため、価格改定の判断が難しくなります。
日用品の値上がりは、ナフサ不足・原油高・円安・石油化学産業の再編が重なって起きやすいです。
そのため、日用品価格を考えるときは、「ナフサが足りないから値上がりする」と単純に見るのではなく、原材料費、包装資材費、物流費、エネルギーコスト、為替をまとめて確認することが重要になります。
参考:経済産業省・参考資料(化学)・石油化学工業協会・石油化学用原料ナフサ
原油高による生活費全体への影響は、原油高で生活費がどう変わるのかを解説した記事で詳しく整理しています。
ただし、日用品の容器・包装材・不織布への影響は、ナフサ不足の視点で見ることが重要です。
日用品メーカーの価格改定事例

ナフサ不足による日用品価格への影響を考えるときは、実際に日用品メーカーがどのようなコスト上昇に直面しているのかを見ることが重要です。
価格改定の背景にはナフサ由来の樹脂や包装資材だけでなく、原材料費、物流費、人件費、エネルギーコスト、為替などが重なっています。
特に日用品メーカーは、洗剤、シャンプー、紙おむつ、マスク、生理用品、ハンドソープなど、毎日の生活に欠かせない商品を扱っています。
これらの商品は、内容物だけでなく、ボトル、詰め替えパック、キャップ、外装フィルム、不織布、段ボールなどの包装資材にもコストがかかるのです。
日用品の価格改定はナフサ不足だけで説明できるものではありませんが、石油由来素材や包装資材のコスト上昇は重要な要因のひとつです。
| メーカー | 主な日用品 | 価格改定・コスト上昇で見るポイント |
|---|---|---|
| 花王 | 洗剤・ヘアケア・住居用洗剤・衛生関連品 | 原材料・石化包材・物流費・人件費の影響 |
| ライオン | 洗剤・歯みがき・ハンドソープ・台所用洗剤 | 原材料価格高騰と収益構造改革 |
| ユニ・チャーム | 紙おむつ・生理用品・マスク・介護用品 | 原材料関連・物流費・不織布素材の影響 |
| P&G | 洗剤・柔軟剤・シャンプー・紙おむつ | コモディティ価格・為替・関税などのコスト圧力 |
参考:花王・2025年12月期 連結決算の概要・ライオン・2024年12月期 決算説明資料・ユニ・チャーム・2025年12月期 決算説明資料・P&G・2025 Annual Report
花王|洗剤・ヘアケア・衛生用品
花王は、洗たく用洗剤、食器用洗剤、住居用洗剤、ヘアケア、スキンケア、衛生関連品など、幅広い日用品を扱うメーカーです。
公式通販サイトでも、洗たく用洗剤、柔軟仕上げ剤、食器用洗剤、住居用洗剤、除菌スプレー、シャンプーなどのカテゴリーが確認できます。
花王の決算資料では、2021年以降、原材料価格の上昇が続き、累計約560億円のコスト増を高付加価値化に合わせた価格改定や原価低減活動で吸収してきたと説明されています。
内訳には、油脂、石化原料、石化包材、紙・パルプ、エネルギーなどが含まれています。
ここで注目したいのが、石化原料と石化包材です。
洗剤やシャンプーは中身だけでなく、ボトル、キャップ、詰め替えパック、外装フィルム、配送時の包装材にも石油化学由来の素材が使われます。
そのため、ナフサ不足や石油化学原料の価格上昇は、花王のような日用品メーカーにとって、製品そのものだけでなく包装資材のコストにも関係します。
特に洗剤やヘアケア商品は詰め替えパックの利用が多いため、フィルムや樹脂包材の価格変動を受けやすい分野です。
花王の事例からは、日用品の価格改定が原材料費だけでなく、石化包材・紙パルプ・物流費・人件費まで含めた複合的なコスト上昇で起きることがわかります。
参考:花王・2025年12月期 連結決算の概要・花王公式通販 My Kao Mall・カテゴリーから探す
ライオン|洗剤・歯みがき・ハンドソープ
ライオンは、洗剤、歯みがき、ハンドソープ、台所用洗剤、オーラルケア用品などを扱う日用品メーカーです。
衣類用洗剤、食器用洗剤、ハンドソープ、歯みがきなどは、家庭で継続的に購入される消耗品にあたります。
ライオンの2024年12月期決算説明資料では、原材料価格の高騰などに伴い、2022年以降に収益性が低下したことが課題として示されています。
これは、日用品メーカーが原材料費の上昇を受けやすいことを示す事例です。
洗剤やハンドソープは、内容物の原料だけでなくプラスチックボトル、ポンプ、詰め替えパック、キャップ、外装フィルムなどの包装資材を使います。
歯みがきでも、チューブ、キャップ、外箱、配送資材が必要です。
ナフサ不足によって樹脂価格や包装材コストが上がると、こうした商品の製造原価に影響します。
企業側は、商品の高付加価値化、容量や仕様の見直し、物流効率化などで対応しますが、吸収しきれない場合は価格改定につながる可能性が高いです。
ライオンのような洗剤・オーラルケアメーカーでは、原材料費と包装資材費の両方が日用品価格に関係します。
ドラッグストアで扱う洗剤・ハンドソープ・衛生用品への影響は、ナフサ不足がドラッグストア商品に与える影響をまとめた記事でも詳しく解説しています。
参考:ライオン・2024年12月期 決算説明資料・ライオン・公式サイト
ユニ・チャーム|マスク・紙おむつ・衛生用品
ユニ・チャームは、紙おむつ、生理用品、マスク、介護用品、ウェットティッシュなど、衛生用品を幅広く扱うメーカーです。
これらの商品は生活必需品としての性格が強く、価格が上がると家計への影響も大きいです。
ユニ・チャームの2025年12月期決算説明資料では、コア営業利益の増減要因として、原材料関連や物流費の影響が示されています。
また、公式の商品情報では、ソフィ、シルコット、紙おむつ関連の取り組みなど、衛生用品に関わるブランドが確認できます。
紙おむつやマスクは、紙だけで作られているわけではありません。
不織布、フィルム、吸収材、伸縮素材、包装フィルムなど、さまざまな素材を組み合わせて作られています。
これらの中にはポリプロピレンやポリエチレンなど、石油化学由来の素材も含まれます。
そのため、ナフサ不足によって不織布やフィルム、包装資材のコストが上がると衛生用品の価格にも影響しやすくなります。
特に紙おむつや生理用品は、毎月または毎日使う商品であり、値上げや枚数減が家計に直結しやすい分野です。
ユニ・チャームのような衛生用品メーカーでは、原材料関連・物流費・不織布素材のコスト上昇が価格に影響しやすいです。
医療・衛生用品への影響は、ナフサ不足で医療用品に広がる影響をまとめた記事でも整理しています。
参考:ユニ・チャーム・2025年12月期 決算説明資料・ユニ・チャーム・商品情報
P&G|シャンプー・洗剤・紙製品
P&Gは、アリエール、ボールド、さらさ、レノア、パンパース、パンテーン、h&s、ジョイなど、洗剤、柔軟剤、紙おむつ、ヘアケア、台所用洗剤などを扱うグローバル日用品メーカーです。
日本の公式ブランドページでも、ベビーケア、ファブリックケア、ヘアケア、ホームケア、オーラルケアなどのカテゴリーが確認できます。
P&Gの2025年Annual Reportでは、2025年度にコモディティや関税によるコスト上昇があった中で、売上と利益の成長を実現したと説明されています。
日用品メーカーにとって、原材料や国際的なコスト圧力が収益に影響することがわかる事例です。
P&Gの商品は、液体洗剤、柔軟剤、シャンプー、紙おむつ、食器用洗剤など、容器や詰め替えパックを使う商品が多いです。
ボトル、キャップ、フィルム、外装、段ボール、配送資材などのコストが上がると、商品価格や容量設計に影響する可能性があります。
また、P&Gのようなグローバル企業では、原油高やナフサ由来素材だけでなく、為替、関税、国際物流、各国の原材料価格も関係します。
日本で販売される商品も、国内外のサプライチェーンや包装資材の影響を受けるため、価格を考えるときは複数のコスト要因を見ることが大切です。
P&Gの事例からは、洗剤・シャンプー・紙おむつなどの日用品価格が、原材料費だけでなく包装材・国際物流・為替・関税にも左右されることがわかります。
日用品の値上がりを見るときは、ナフサ不足だけを原因と決めつけるのではなく、各メーカーが発表する決算資料や価格改定情報を確認することが大切です。
消費者側では、セール時のまとめ買い、詰め替え品の単価確認、PB商品との比較、使いすぎの見直しなどで負担を抑えやすくなります。
参考:P&G・2025 Annual Report・P&G Japan・ブランド
ナフサ不足で日用品価格はどのように変わる?

ナフサ不足で日用品価格に影響が出る場合、店頭価格がそのまま上がるとは限りません。
商品によっては、価格改定、容量変更、枚数減、詰め替え商品の値上げ、パッケージ仕様の見直しなど、複数の形で影響が出ます。
特に日用品は、ラップ、ゴミ袋、洗剤、シャンプー、マスク、紙おむつなど、継続的に購入する商品が多いです。
1回あたりの値上げ幅が小さくても、毎月の支出として積み上がると家計への負担は大きくなります。
日用品価格を見るときは、店頭価格だけでなく容量・枚数・詰め替え単価まで確認することが重要です。
| 価格変化の形 | 具体例 | 確認すべきポイント |
|---|---|---|
| 値上げ | 洗剤・シャンプー・紙おむつの価格改定 | 旧価格と新価格の差 |
| 容量減 | 詰め替えパックの内容量変更 | 1ml・1gあたりの単価 |
| 枚数減 | ゴミ袋・マスク・紙おむつの入数変更 | 1枚あたりの単価 |
| 実質値上げ | 価格据え置きで中身や枚数が減る | 内容量・入数の変化 |
| 仕様変更 | 容器・パッケージ・厚みの見直し | 使い勝手や耐久性 |
参考:消費者庁・伊藤消費者庁長官記者会見要旨・消費者庁・二重価格表示
値上げだけでなく実質値上げも起きやすい
ナフサ不足や包装資材費の上昇が続くと、日用品では値上げだけでなく実質値上げも起きやすくなります。
実質値上げとは、店頭価格を大きく変えずに内容量や枚数を減らすことで、1回あたり・1枚あたり・1mlあたりの負担が増える状態です。
たとえば、ゴミ袋の枚数が減る、ラップの巻き長さが短くなる、マスクの入数が変わる、詰め替えパックの容量が少なくなるといった形です。
価格だけを見ると変化が小さく見えても、単価で見ると負担が増えている場合があります。
消費者庁は、価格を据え置いたまま内容量を減らす「ステルス値上げ」についても、消費者から理由や背景をしっかり説明してほしいという回答が多く寄せられたと公表しています。
日用品は、食品のように毎日食べるものではありませんが、定期的に必ず買う商品が多いです。
価格改定や容量変更が積み重なると、家計の固定費に近い支出として影響が残ります。
日用品の値上がりを見るときは価格だけでなく、内容量・枚数・単価の変化まで確認することが重要です。
詰め替え・大容量品も影響を受ける
詰め替え商品や大容量品も、ナフサ不足の影響を受ける可能性があります。
詰め替えパックは節約につながりやすい商品ですが、パックそのものにはフィルムや樹脂素材が使われています。
洗剤、柔軟剤、シャンプー、ボディソープ、ハンドソープなどでは、詰め替えパックが一般的です。
ナフサ由来の樹脂や包装資材の価格が上がると、本体ボトルだけでなく詰め替え商品の製造コストにも影響します。
また、大容量品は一見お得に見えますが、価格改定後は必ずしも安いとは限りません。
容量が増えていても、1mlあたり・1gあたりの単価が上がっている場合があります。
そのため、日用品を選ぶときは、通常サイズ、本体、詰め替え、大容量品を比べることが大切です。
単純に「詰め替えだから安い」「大容量だからお得」と判断するのではなく、単価で確認すると失敗しにくくなります。
詰め替え・大容量品は節約に役立ちますが、ナフサ不足や包装資材費上昇の影響を受けないわけではありません。
ドラッグストアで扱う洗剤や詰め替え商品への影響は、ナフサ不足がドラッグストア商品に与える影響をまとめた記事でも詳しく解説しています。
毎月買う消耗品ほど家計への影響が大きい
日用品の値上がりで特に注意したいのは、毎月買う消耗品です。
ラップ、ゴミ袋、洗剤、シャンプー、歯みがき、マスク、紙おむつ、生理用品などは、生活の中で継続的に使う商品です。
こうした商品は、1個あたりの値上げが数十円程度でも、毎月複数の商品で起きると家計への影響が大きくなります。
さらに、家族の人数が多い家庭、乳幼児や介護が必要な家族がいる家庭では、紙おむつや衛生用品の使用量が多く、負担が増えやすいです。
また、日用品は食品と違って賞味期限が長いものも多いため、セール時に少し多めに購入することで負担を抑えやすい商品があります。
毎月買う商品ほど、価格だけでなく単価、使用量、代替品の有無を確認すると家計管理がしやすくなります。
日用品の値上がりは小さく見えても、毎月買う消耗品ほど家計に積み上がります。
ナフサ不足の影響を見るときは、1回の値上げ額ではなく月単位・年単位の支出で考えることが大切です。
日用品以外も含めた生活費への影響は、原油高で生活費がどう変わるのかを解説した記事で整理しています。
ただし、ラップ・ゴミ袋・詰め替えパックなどの容器包装への影響は、ナフサ不足の視点で確認することが重要です。
日用品が品薄になる可能性はある?

ナフサ不足が起きると、「ラップやゴミ袋、洗剤、マスクなどの日用品が店頭からなくなるのでは」と不安に感じる人もいるかもしれません。
たしかに、日用品にはプラスチック容器、フィルム、袋、不織布、包装材など、石油化学由来の素材が多く使われています。
ただし、ナフサ不足が起きたからといって、すぐにすべての日用品が品薄になるとは限りません。
実際には、メーカーや小売店が在庫調整、原材料の切り替え、価格改定、販売数量の調整などを行いながら、供給を維持しようとするケースが多いです。
日用品でまず起きやすいのは、全面的な品切れよりも値上げ・実質値上げ・一部商品の供給調整です。
| 起きる可能性がある変化 | 具体例 | 家庭での注意点 |
|---|---|---|
| 価格改定 | 洗剤・シャンプー・紙おむつなどの値上げ | 単価と使用量を確認する |
| 実質値上げ | ゴミ袋・マスク・ラップの枚数や容量変更 | 価格だけでなく内容量を見る |
| 供給調整 | 一部サイズ・一部ブランドの入荷減 | 代替品を確認しておく |
| 仕様変更 | 容器・袋・包装材の見直し | 使い勝手や耐久性も確認する |
| 一時的な品薄 | 特定商品の注文集中・入荷遅れ | 買い占めず、必要量を分散購入する |
参考:石油化学工業協会・石油化学製品はこうしてつくる・消費者庁・令和3年版消費者白書
すぐに全面的な不足が起きるとは限らない
ナフサ不足と聞くと、すぐに日用品売り場から商品が消えるイメージを持つかもしれません。
しかし、実際にはすべての商品が一斉に不足するとは限りません。
日用品メーカーや小売店は、原材料や包装資材の在庫、代替素材、複数の仕入れ先、販売計画を組み合わせながら供給を調整します。
ナフサ由来の樹脂価格が上がった場合でも、まずは価格改定や仕様変更で対応することが多いです。
たとえば、洗剤やシャンプーではボトルや詰め替えパックのコストが上がっても、すぐに商品自体がなくなるとは限りません。
ラップやゴミ袋でも、店頭価格の変更、枚数の見直し、パッケージ仕様の変更などで影響が表れる場合があります。
一方で、特定の素材やサイズに需要が集中したり、メーカー側の生産調整が重なったりすると、一部商品で入荷が遅れる可能性はあるでしょう。
特に、特定ブランドにこだわる場合や業務用サイズを使っている場合は、選択肢が限られることもあります。
ナフサ不足による日用品への影響は、全面的な品切れよりも値上げ・容量変更・一部商品の入荷遅れとして出る可能性が高いです。
日用品全体ではなく、食品包装や容器への影響を詳しく知りたい場合はナフサ不足で食料品に広がる影響をまとめた記事も参考になります。
一部商品では供給調整や値上げが起きやすい
日用品が全面的に不足しなくても、一部商品では供給調整や値上げが起きやすくなります。
特に影響を受けやすいのは、石油由来の樹脂やフィルム、不織布、包装材を多く使う商品です。
ラップ、保存袋、ゴミ袋、レジ袋、食品トレー、洗剤ボトル、詰め替えパック、マスク、紙おむつ、生理用品などは、ナフサ由来素材と関係が深い商品です。
これらは中身だけでなく、容器や包装資材にもコストがかかるのです。
紙おむつのような衛生用品では、不織布やフィルム、吸収材、包装材など複数の素材が使われます。
日本衛生材料工業連合会の紙おむつ表示ガイドラインでも、表面材としてポリプロピレン不織布やポリエチレン/ポリエステル不織布などが示されています。
こうした商品では、原材料費が上がるとメーカー側が生産量や販売数量を調整したり、一部サイズの販売を見直したりする可能性があります。
小売店でも、特売頻度の減少、PB商品の強化、価格帯の見直しが起きるかもしれません。
また、日用品の値上げは店頭価格だけでなく、詰め替え商品の容量変更や枚数減として表れることもあります。
消費者から見ると同じ価格に見えても、1枚あたり・1回あたりの負担が増えているケースがあります。
供給調整が起きやすいのは、樹脂・フィルム・不織布・包装材への依存度が高い日用品です。
| 影響を受けやすい商品 | 主な素材・資材 | 起きやすい変化 |
|---|---|---|
| ラップ・保存袋 | フィルム・ポリエチレン系素材 | 価格改定・巻き長さ変更 |
| ゴミ袋・レジ袋 | ポリエチレン・フィルム | 枚数減・厚み変更・値上げ |
| 洗剤・シャンプー | ボトル・キャップ・詰め替えパック | 本体・詰め替え商品の価格上昇 |
| マスク・紙おむつ | 不織布・フィルム・包装材 | 入数変更・価格改定 |
| 食品トレー・容器 | プラスチック容器・包装材 | 食品価格に間接的に波及 |
参考:日本衛生材料工業連合会・紙おむつの表示ガイドライン・プラスチック循環利用協会・ポリエチレンってどんなプラスチック?
買い占めではなく適正ストックが重要
ナフサ不足で日用品価格や供給に不安がある場合でも、買い占めは避けるべきです。
必要以上に大量購入すると保管場所を圧迫するだけでなく、本当に必要な人に商品が届きにくくなります。
日用品で重要なのは、買い占めではなく適正ストックです。
普段の使用量を確認し、ラップ、ゴミ袋、洗剤、シャンプー、マスク、紙おむつなどを1〜2か月分を目安に備えておくと、急な値上げや一時的な入荷遅れにも対応しやすくなります。
ただし、紙おむつやマスクのようにサイズや使用状況が変わる商品は、過剰に買いすぎると使い切れないことがあります。
洗剤やシャンプーも、収納場所や使用期限、香りの好み、家族構成の変化を考えて購入量を決めることが大切です。
消費者庁の消費者白書では、緊急事態時に生活必需品を普段より多く買った行動と、日常的な買い置き意識には関係があると示されています。
普段から必要量を把握しておけば、不安になったときに慌てて大量購入する必要が少なくなります。
日用品の備えは、買い占めではなく、家庭の使用量に合わせた適正ストックが基本です。
具体的には、次のように整理すると無理なく備えられます。
| 商品 | ストックの考え方 | 注意点 |
|---|---|---|
| ラップ・保存袋 | よく使うサイズを1〜2本程度 | 使わないサイズを買いすぎない |
| ゴミ袋 | 自治体指定袋を1〜2か月分 | サイズ・自治体ルールを確認する |
| 洗剤・シャンプー | 使用量に合わせて詰め替えを少量備える | 香りや肌への相性も確認する |
| マスク | 家族の使用頻度に合わせて備える | サイズ違いに注意する |
| 紙おむつ・衛生用品 | 必要量を把握して短期間分を確保 | サイズ変更や保管場所に注意する |
セール時に少し多めに買うことは家計対策になりますが、過剰なまとめ買いはおすすめできません。
価格だけに反応するのではなく、普段の使用量、単価、保管場所、代替品の有無を確認して購入することが大切です。
不安なときほど、必要なものを必要な分だけ、計画的に買うことが日用品不足への一番現実的な備えになります。
参考:消費者庁・令和3年版消費者白書・消費者庁・物価に関する法律
ナフサ不足に備えて家庭でできる対策

ナフサ不足による日用品価格の上昇に備えるには、買い占めではなく、普段使う量を把握して無理なく備えることが重要です。
ラップ、ゴミ袋、洗剤、シャンプー、マスク、紙おむつなどは生活に欠かせない一方で、過剰に買いすぎると保管場所や使い切りの問題が出てきます。
また、日用品価格はナフサ不足だけでなく、原材料費、包装資材費、物流費、円安、エネルギーコストなどにも左右されます。
価格が上がる前に大量購入するよりも、単価を確認しながら、必要な商品を計画的に買う方が家計管理には向いているでしょう。
家庭でできる対策は、適正ストック、分散購入、詰め替え・代替品の活用、使い捨て削減の4つです。
| 対策 | 具体的な内容 | 注意点 |
|---|---|---|
| 適正ストック | 1〜2か月分を目安に備える | 買い占めや保管しすぎを避ける |
| 分散購入 | セールや通常購入を組み合わせる | 一度に大量購入しない |
| 詰め替え・代替品 | 単価を見て本体・詰め替え・PB商品を比較する | 容量や使い勝手も確認する |
| 使い捨て削減 | 保存容器や詰め替え容器を活用する | 衛生面に注意して使い分ける |
参考:消費者庁・令和3年版消費者白書・環境省・プラスチック資源循環 消費者の方へ
1〜2か月分を目安に適正ストックする
ナフサ不足に備えるうえで、まず意識したいのは1〜2か月分を目安にした適正ストックです。
ラップ、ゴミ袋、洗剤、シャンプー、マスク、紙おむつなどは急に切れると困る商品ですが、大量に買い込む必要はありません。
適正ストックとは、家庭で普段使う量をもとに少し余裕を持って備える考え方です。
たとえば、毎月1本使う洗剤なら予備を1〜2本、毎週使うゴミ袋なら1〜2か月分を目安にすると、急な値上げや一時的な入荷遅れにも対応しやすくなります。
一方で、紙おむつやマスクのようにサイズが変わる商品、シャンプーや洗剤のように肌や香りの相性がある商品は、買いすぎに注意が必要です。
保管中に使わなくなったり、家族構成の変化で余ったりする可能性があります。
消費者庁の消費者白書では、普段から買い置きを持つ意識が高い人ほど、緊急時に生活必需品を普段より多く買った傾向が示されています。
普段から必要量を把握しておけば、不安になったときに慌てて大量購入する必要はありません。
日用品の備えは、買い占めではなく、家庭の使用量に合わせた1〜2か月分の適正ストックが基本です。
| 商品 | ストック目安 | 注意点 |
|---|---|---|
| ラップ・保存袋 | よく使うサイズを1〜2本 | 使わないサイズを増やしすぎない |
| ゴミ袋 | 1〜2か月分 | 自治体指定袋の種類を確認する |
| 洗剤・シャンプー | 詰め替えを1〜2個 | 香りや肌への相性に注意する |
| マスク | 家族の使用頻度に合わせる | サイズ違いを買いすぎない |
| 紙おむつ・衛生用品 | 短期間分を中心に確保 | サイズ変更や保管場所に注意する |
ラップ・ゴミ袋・洗剤は分散購入する
ラップ、ゴミ袋、洗剤のような日用品は一度に大量購入するよりも、複数回に分けて分散購入する方が現実的です。
価格が上がりそうだからといってまとめ買いしすぎると、保管場所を圧迫し、使い切る前に生活スタイルが変わることもあります。
分散購入とは、セール時に少し多めに買い、通常時にも必要な分だけ補充する買い方です。
特定の商品に偏らず、PB商品、詰め替え商品、大容量品、代替品を比較しながら購入すると、家計への負担を抑えやすくなります。
ゴミ袋は自治体指定袋が必要な地域もあるため、種類やサイズを間違えないことが大切です。
ラップや保存袋はサイズ違いで使い分ける家庭も多いため、使用頻度の低いサイズを買いすぎると無駄になりやすいです。
洗剤やシャンプーは特売やポイント還元でお得に見えても、1回分・1mlあたりの単価が高い場合があります。
価格だけでなく、容量、使用回数、家族の消費ペースを確認して選ぶことが重要です。
分散購入は、値上げへの備えと買いすぎ防止を両立しやすい方法です。
ドラッグストアで扱う洗剤・シャンプー・衛生用品への影響は、ナフサ不足がドラッグストア商品に与える影響をまとめた記事でも解説しています。
代替品や詰め替えを活用する
ナフサ不足による日用品価格の上昇に備えるには、代替品や詰め替え商品を上手に使うことも大切です。
いつも使っているブランドだけにこだわると、値上げや一時的な品薄が起きたときに選択肢が狭くなります。
洗剤やシャンプーでは、詰め替え商品、大容量品、PB商品、同じ用途の別ブランドを比較すると、家計負担を抑えやすくなります。
ただし、詰め替え商品にもフィルムや樹脂素材が使われるため、必ずしも価格上昇の影響を受けないわけではありません。
ラップの使用量を減らしたい場合は、ふた付き保存容器、シリコン製のふた、密閉容器などを使う方法があります。
保存袋も、用途によっては洗って繰り返し使えるタイプや保存容器で代用できる場合があるでしょう。
ゴミ袋では、自治体の分別ルールを守ったうえで、ごみそのものを減らすことが負担軽減につながります。
食品トレーや容器包装を減らす商品選び、詰め替え商品の活用、過剰包装を避ける買い方も有効です。
代替品や詰め替えは、単価・使い勝手・保管場所・自治体ルールを確認して選ぶことが重要です。
スーパーで使われる食品トレーや容器包装への影響は、ナフサ不足がスーパーの商品価格に与える影響をまとめた記事でも詳しく整理しています。
使い捨てを減らして家計負担を抑える
ナフサ不足への備えとして、使い捨てを減らすことも家計対策になります。
ラップ、保存袋、レジ袋、食品トレー、詰め替えパックなどは便利な一方で、使う量が増えるほど購入頻度も上がります。
環境省は、プラスチック資源循環の取り組みの中で、ワンウェイプラスチックの使用量を減らすことや、環境に配慮した製品を選択しやすい社会づくりを示しています。
家庭でも、使い捨てを少し減らすだけで日用品の購入回数を抑えられるでしょう。
たとえば、食品保存ではラップの代わりに保存容器を使う、買い物ではマイバッグを使う、詰め替えできる商品を選ぶ、不要な包装を避けるといった方法があります。
すべてを一気に変える必要はなく、使用頻度の高いものから見直すと続けやすいです。
ただし、衛生用品や医療・介護に関わる商品は、無理に使い回すべきではありません。
マスク、紙おむつ、生理用品、介護用品などは衛生面や安全性を優先し、必要なものを適切に使いましょう。
使い捨てを減らす対策は、節約と資源の有効利用を同時に進められる方法です。
大切なのは無理な節約ではなく、使う量を少しずつ見直すことです。
ナフサ不足や包装資材費の上昇が続く局面では、毎月買う日用品ほど使用量の見直しが家計負担の軽減につながります。
参考:環境省・プラスチック資源循環 消費者の方へ・環境省 ecojin・3R徹底宣言
ナフサ不足の全体的な影響は、ナフサ不足とは何かをまとめた総合記事で解説しています。
日用品以外の生活費への影響は、原油高で生活費がどう変わるのかを解説した記事も参考にしてください。
ナフサ不足と日用品に関するFAQ

ナフサ不足と日用品の値上がりについて、よくある疑問をQ&A形式で整理します。
ナフサ不足で値上がりしやすい日用品は何ですか?
ナフサ不足で値上がりしやすいのは、プラスチック容器・フィルム・袋・不織布・包装材を多く使う日用品です。
具体的には、ラップ、保存袋、ゴミ袋、レジ袋、洗剤ボトル、シャンプー容器、詰め替えパック、食品トレー、マスク、紙おむつ、生理用品などが挙げられます。
ナフサは、石油化学製品の原料につながる石油製品です。
そこから作られるポリエチレンやポリプロピレンなどの樹脂は、日用品の容器・袋・フィルム・トレー・不織布などに使われています。
ただし、ナフサ不足になったからといって、すべての商品が一斉に値上がりするわけではありません。
メーカーの在庫、原材料の調達状況、物流費、為替、販売戦略によって影響の出方は変わります。
日用品ごとの影響を確認したい場合は、ナフサ不足がドラッグストア商品に与える影響をまとめた記事も参考になります。
ラップやゴミ袋はナフサ不足の影響を受けますか?
ラップやゴミ袋は石油由来の樹脂やフィルムを使うため、ナフサ不足の影響を受けやすい日用品です。
ラップや保存袋には、ポリエチレンなどの樹脂が使われます。
ゴミ袋やレジ袋も、ポリ袋として石油化学素材と関係が深い商品です。
ナフサ価格や樹脂価格が上がると、メーカー側の製造コストや包装資材コストが上昇します。
その結果、店頭価格の値上げだけでなく、枚数減、巻き長さの変更、厚みの見直しといった実質値上げにつながる可能性があります。
家庭では、価格だけを見るのではなく、1枚あたりの単価や1mあたりの単価を確認することが大切です。
特にゴミ袋は自治体指定袋の場合もあるため、サイズや枚数を見ながら必要量を管理すると無駄を減らせます。
食品包装や容器への影響は、ナフサ不足で食料品に広がる影響をまとめた記事でも詳しく解説しています。
洗剤やシャンプーは中身より容器の影響が大きいですか?
洗剤やシャンプーは中身だけでなく、ボトル・キャップ・詰め替えパック・外装フィルムの影響も受けます。
洗剤やシャンプーの価格は、界面活性剤、香料、油脂、化学原料などの中身のコストだけで決まりません。
プラスチックボトル、ポンプ、キャップ、詰め替えパック、外装フィルム、段ボール、配送費も価格に関係します。
高密度ポリエチレンは、食品容器やシャンプー容器などに使われる代表的な樹脂です。
詰め替えパックにもフィルム素材が使われるため、本体商品だけでなく詰め替え用も包装資材費の影響を受けます。
そのため、日用品価格を見るときは「中身の原料が上がったか」だけでなく、「容器や包装材のコストが上がっているか」も確認することが重要です。
詰め替え商品は節約に役立つ場合がありますが、価格改定後は必ずしも最安とは限りません。
1mlあたり、1回分あたりの単価で比較すると、家計への影響を把握しやすくなります。
マスクや紙おむつもナフサ不足と関係がありますか?
マスクや紙おむつも不織布・フィルム・包装材を使うため、ナフサ不足と関係があります。
マスクは、不織布、耳ひも、ノーズワイヤー、個包装など複数の素材で構成されています。
紙おむつも、表面材、防水材、吸収材、伸縮材、外装材など多くの素材を組み合わせた商品です。
日本衛生材料工業連合会の紙おむつ表示ガイドラインでは、表面材にポリプロピレン不織布、ポリエチレン/ポリエステル不織布、防水材にポリエチレンフィルムなどが示されています。
つまり、紙おむつは「紙」だけで作られているわけではありません。
こうした衛生用品では、原材料費、不織布価格、包装材費、物流費が上がると価格改定や枚数減につながる可能性があります。
特に紙おむつや生理用品、介護用品は継続的に必要な商品なので、値上がりが家計に直結しやすいです。
衛生用品や医療関連品への影響は、ナフサ不足で医療用品に広がる影響をまとめた記事でも整理しています。
ナフサ不足で日用品を買いだめした方がいいですか?
買いだめではなく、家庭の使用量に合わせた適正ストックを持つことが大切です。
ナフサ不足が不安でも、ラップ、ゴミ袋、洗剤、シャンプー、マスク、紙おむつなどを必要以上に買い込む必要はありません。
過剰な買いだめは保管場所を圧迫し、使い切れないまま余る原因になります。
目安としては、よく使う日用品を1〜2か月分ほど備えておくと、急な値上げや一時的な入荷遅れに対応しやすいです。
洗剤やシャンプーは詰め替えを1〜2個、ゴミ袋は自治体指定袋を1〜2か月分、ラップや保存袋はよく使うサイズを中心に備えると無理がありません。
一方で、紙おむつやマスクはサイズが合わなくなる可能性があります。
洗剤やシャンプーも、香りや肌への相性があるため、大量購入には注意が必要です。
不安なときほど、必要なものを必要な分だけ、計画的に買うことが現実的な備えです。
ナフサ不足の全体像は、ナフサ不足とは何かをまとめた総合記事で詳しく解説しています。
参考:石油化学工業協会・石油化学製品はこうしてつくる・プラスチック循環利用協会・国内生産の汎用樹脂のLCIデータ更新・日本衛生材料工業連合会・紙おむつの表示ガイドライン
ナフサ不足の関連記事一覧
ナフサ不足は、食品・日用品・医療・建設・物流・農業・半導体など、さまざまな業界へ影響を与える可能性があります。
以下では、ジャンル別に関連記事をまとめています。ぜひご確認ください。
| ジャンル | 関連記事 |
|---|---|
| 基礎知識 | |
| 食品・生活 | |
| 外食・飲食 | |
| 食品供給 | |
| 物流・製造 | |
| 建設・住宅 | |
| 医療・先端産業 |
まとめ
ナフサ不足はガソリンや燃料だけの問題ではなく、私たちが毎日使う日用品の価格にも影響する可能性があります。
ラップ、保存袋、ゴミ袋、洗剤、シャンプー、詰め替えパック、マスク、紙おむつ、食品トレーなどには、プラスチックや合成樹脂、不織布、包装材が使われているためです。
ただし、ナフサ不足になったからといって、すぐにすべての日用品が店頭から消えるとは限りません。
まず起きやすいのは、値上げ、容量減、枚数減、詰め替え商品の価格上昇、包装材コストの増加といった形です。
特に、ラップやゴミ袋はフィルムや袋に石油由来の樹脂を使います。
洗剤やシャンプーは中身だけでなく、ボトル、キャップ、詰め替えパック、外装フィルムの影響も受けやすい商品です。
また、マスクや紙おむつなどの衛生用品も、不織布やフィルム、包装材と関係しています。
食品トレーやプラスチック容器の価格が上がれば、スーパーの総菜、弁当、冷凍食品、テイクアウト商品の価格に間接的に波及する可能性もあります。
ナフサ不足による日用品への影響は、商品の中身だけでなく容器・包装材・不織布まで含めて考えることが重要です。
家庭でできる対策としては、買い占めではなく1〜2か月分を目安にした適正ストックが現実的です。
ラップ、ゴミ袋、洗剤、シャンプーなどは、普段の使用量を把握し、セール時や通常購入を組み合わせながら分散して買うと負担を抑えやすくなります。
詰め替え商品や大容量品を選ぶ場合も、価格だけで判断せず、1mlあたり・1枚あたり・1回分あたりの単価を確認することが大切です。
必要に応じてPB商品や代替品を比較し、使い捨てを少し減らすことも家計対策につながります。
日用品の値上がりは小さく見えても、毎月買う消耗品ほど家計に積み上がります。
ナフサ不足の影響を冷静に見ながら、必要なものを必要な分だけ計画的に備えることが大切です。



